検査によって原因が明らかになった耳鳴りは、原因の除去など根治に向けた治療が可能です。
ですが、耳鳴りは原因が明らかにならない場合が多くあります。
外耳～中耳にかけた伝音系の障害は、原因が見つかることが多く、比較的治りやすい耳鳴りだということができます。
一方、内耳～大脳にかけて音を感じる機能（神経や細胞など）に障害がある場合は、根治が難しい場合がほとんどです。
感音系の耳鳴りと診断された場合は、神経や細胞を再生する医療がまだ確立していないため、根治は困難です。その場合、「耳鳴りが治る」というよりも「耳鳴りが気にならない」というゴールを目指すことになります。
耳鳴りは自身の精神状況や受け取り方によって、症状の深刻さに個人差が出ます。自分のゴールを見失わないよう、前向きに治療と向き合うことが大切です。
耳鳴りの軽減や解消を目指して、血流改善薬や抗痙攣薬、漢方薬が処方されることがあります。
耳鳴りを不快と感じる心を穏やかにするために、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。
ストレスや不安などで緊張した精神状態では、耳鳴りをより大きく、より不快に感じてしまうことがあります。緊張してしまった心に対してこれらの薬を内服し、気持ちが安定することで、耳鳴りが気にならなくなる方がたくさんいます。
耳の症状に対してこのような薬を飲むことに抵抗を感じる人も多くいますが、実際に耳鳴りが改善している人が多くいます。内服する場合は、医師の用法用量通り正しく内服しましょう。
また、自己判断で内服を止めてしまうと、治療が成功しているかどうかの正しい判断ができません。薬を止める場合も、必ず医師に相談してからにしましょう。
耳鳴りは、ほとんどの場合難聴を合併しています。自覚症状がなくても、聞こえが悪いことで耳に意識を集中してしまい、結果として耳鳴りが大きく聞こえてしまっているのです。 そこで、補聴器を使用して聞こえを改善すると周囲の音が鮮明に聞こえるようになるため、多くの場合で耳鳴りを意識することが少なくなり耳鳴りが改善する、という仕組みです。
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